「エーゲ海クルーズ」 11日間を終えて
畔田 勝美・・・・
  定年退職してから1年に1回、夫婦して海外旅
 行に行く事を楽しみにしている。今回の目的は、
 それぞれの寄港地で五つの世界遺産観光と、
 船内の数多くのエンターティメントやイタリア料理
 を楽しむ事にある。
   [1日目]  今回のツアー「優雅なエーゲ海クル
 ーズ11日間」に参加する25名と添乗員(女性)との
 顔会わせ。添乗員の彼女は太くて黒くてちょうど
 「小錦」を連想させる。この先ず〜とこの「小錦」と
 一緒かと思うと気が重〜い。
  1年振りの成田空港。外国人女性のスタイルの
      エーゲ海をバックにサントリーニ島にて
良さに目が移る。特にインドとベトナムの客室乗務員のユニフォームが目立ち、スタイル、ルックスも抜群。
妻や我が添乗員とのギャップ !!
  [2日目] ベネチアに到着し、午後豪華客船ムジカ号に乗船。総トン数 90,000t、全長294m、全幅
32m、最大乗客数3,000名、乗組員1,000名。船内スタッフの゛ボンジョルノ゛という陽気な挨拶に迎えられ、
チェックイン。出航風景として世界で1、22の美しさと言われるベネチアの港。 船が静かに港から離れ、
14階のデッキから見下ろす港の光景は本当に美しい。これから遭遇するであろう未知の世界への期待に
胸が膨らむ。
  [3日目] イタリア南部のバーリに入港。アルベロべッロのトゥルッリ(世界遺産)と呼ばれるトンガリ帽子
の小さな可愛い家々。ここには普通に人が住み生活している。
  [4日目] 天気は快晴、美しい風景を見、朝日を浴びながらボリューム有る朝食にゆっくり時間を掛け
る。その後は別皿にフルーツ。我家の貧しい食卓と比べ何という差 !!朝食でこの調子だから昼食、夕食
とも当然食べ過ぎる。帰国後私は2.5キロ、妻は3キロ増。船内のスポーツジムとプールに行くつもりで
運動靴、トレーニングウエア、水着を用意。準備は万端。出番はいつか。
  午後 コルフ島のアヒリオン宮殿見学。ハプスブルグ家最後の王室に嫁いだ類まれなる美貌を持っ
たエリザベート王妃の別荘。身長175センチ、体重55キロ、ウエスト55センチを生涯維持したと言う。
  夕刻、船長主催のウエルカムパーティ。女性は有るだけの宝石をつけ(?)、私が一番美しいとばかり
に着飾る。各人それぞれドレスアップしてパーティ会場に入り、船長と握手し記念写真の撮影。その後有
名なテノール歌手を中心としたミュージカルショーが始まる。
  [5日目] 今回クルーズのハイライトであるサントリーニ島に上陸。断崖絶壁の上に有る町から見渡す
紺碧の海、青い空、白壁の家々、ブルーのドーム型屋根をした教会。絵葉書に出て来るそのままの光景
が眼前に迫る。そのコントラストは流石に見応えがあり、今回の一番の目的が達成された。サントリーニ島
に上陸しなければ味わえない大パノラマである。19時゛エーゲ海の真珠゛と言われるミコノス島に上陸。
海岸線に並ぶ5つの風車や白壁を照らす夕陽の光と影。 これ又絵葉書通りで美しい。
  [6日目] ギリシャ神話の世界が広がるアテネ観光。パルテノン神殿(世界遺産)の見学。夕食後、ダン
スフロアーでロックンロールのレッスンを受けた後、急に余興に狩り出される。途中で女房を抱える場面
では重くて持ち上がらず、観客からは大爆笑。(結婚前とは大違いだ)
  [7日目] オリンピアと古代遺跡観光(世界遺産)。今でも聖火はここで採火される。夕食後ダンスホー
ルに移り、生涯初めてのアフリカ系女性と1曲、「小錦」女史と 1曲ダンスを楽しんだ。
  [8日目] ドブロブニクに入港。 宮崎 駿作品「魔女の宅急便」舞台のモデルになったと言われるクロ
アチアの世界遺産ドブロブニク。すぐ目の前の島がヌーディストビーチとの説明。行けなくて残念!!
  [9日目] ベネチアに帰港後、ベネチア観光(世界遺産)。世界でコーヒーが一番高い(1,700円)と言わ
れるサンマルコ広場で飲んだビールは旨かった。
  一方、用意したトレーニングウエア、運動靴、そして水着は最後まで出番無し。
  [10日目] 湖に面した四ッ星ホテルで朝を迎え、ベルガモ観光を終えミラノ空港へ。
  今回のクルーズ総航海距離は 3,610Km、訪問国3ヶ国、国籍別乗客数はイタリア1,506、ドイツ344、
スペイン340、日本32、その他、計37ヶ国、2,868名。
  11日間の旅行を振り返ると、憧れのサントリー二島とミコノス島に行き絵葉書で見た同じ風景をこの目
に焼き付け、又 エンターティメントやグルメを充分に堪能でき、満足感で一杯。今回のクルーズは我々
には旅行代金が高く、分不相応な気がしたが一番行きたかった所へ行けた事と、「クルーズ」故にその
都度スーツケースを移動する事無く、ホテルの一室がそのまま移動する様なスタイルで、この上ない贅沢
と感動、そして至福を味わう事が出来た。
  帰国してから、さて来年の海外旅行はと考えたが、我々夫婦にとって大袈裟かも知れないが究極の
旅行を終えた今、次の計画が思い浮かばない。