大空に魅せられて
伊東 秀一・・・・
 大空を鳥の様に自由に飛んでみたい。
そんな憧れを誰しも幼い頃に一度は夢見た事
が有りませんか。私はその願望が人一倍強く、
いまだにその夢から抜け切れず、益々その魅
力に取り付かれ深みにはまっている一人です。
 人間が簡単に空を飛ぶ事への願望は、特定
の一個人に対してではなく、人類にとっての憧
れと言っても過言ではないでしょう。
従って、現在は世界各地で様々な機器が開発
され、そして数多くの機体が自由に大空を舞っています。私が一人乗り自作航空機に出会ったのは、ま
だ若々しい独身時代の昭和47年でした。その当時の手軽に出来る一人乗りの自作航空機としては、唯
一アメリカのジャイロコプターだけだったと記憶しています。たまたま、そのジャイロコプターと出会う機会
があり、話を聞いているうちにすっかり夢の世界に入ってしまいました。手軽に作れる、大空を自由に飛
べる、そんな魅力の虜になり、気が付いたらもうジャイロの自作を始めていました。勿論、全然の素人で
すから何も分からず先輩達の指導を受け、試行錯誤の末、一年かけて完成させた事が昨日の様に思い
出されます。その後、時代の流れと共に空を飛ぶ道具も次々と新しい物が出現し、ハンググライダーの時
代がやって参りました。このハングが固定翼ハングに変わり、それが、エンジン付きハングへと発展し、そ
して、エンジン付き固定翼機が生まれた訳です。これをウルトラライトプレーン 又は超軽量動力機と云
い、数あるスカイスポーツの中の一つになっています。
今現在、スカイスポーツと呼ばれるものは
@ スカイダイビング
A 熱気球
B ハンググライダー
C パラグライダー
D ウルトラライトプレーン
の5つのカテゴリーに分けられます。さて、その内のウルトラライトプレーンにも3種類に分類されます。
@ 舵面操縦型
A 体重移動型
B ジャイロコプター
私が愛用しているのが@の舵面操縦型3舵式で軽飛行機と同じ構造の操縦桿による飛行をします。
ウルトラライトプレーンは小型エンジン(400CC~800CC)を搭載し動力で飛行する一人あるいは二人乗り
の いわゆる飛行機です。さてスロットルをいっぱいに エンジン出力をフルパワーに上げ、ブレーキを
放すと機体が走り出し、スピードがぐんぐん増して行きます。スピードが50Kmに達したら操操縦桿を引く
と、機体はふわっと浮き瞬く間に上昇して行きます。地面がどんどん離れ、1〜2分もすれば高度は2〜
300mに達します。そこはもう3次元の世界、右に行こうと左に行こうと、上がろうと下がろうと自由自在、
地上の人や車は豆粒、視界にはどんどん周囲の景色が入って来ます。更に高度を上げて500m位に達
すると、地表がうす青くなって来て 地図の様に見えて来ます。地形をよく頭に入れておかないと300m
程ある滑走路も分からなくなります。気温は100m上昇する毎に1度下がりますから 真夏のフライトはさ
らに格別です。もう天下を取った様なこの爽快感は 体験した者でなければおそらく理解出来ないのか
も知れません。
 さて、操縦する為の知識及び技術の講習は 正味20時間程度です。飛行資格の認定を受ければ快
適な空のスポーツを安全に思い通りに楽しむことが出来ます。女性は勿論中高年の健康的なレジャーと
して大空への関心を高める新しいスポーツです。手軽で安全、とはいえやはり空を飛ぶ以上さまざまな
危険が付いて回るのは どのスポーツでも共通する問題です。ウルトラライトプレーンで飛行するには、
各地に存在するフライイングスクールで行う 資格認定を受けなければなりません。認定資格の講習は、
学科10時間程(航空法規、航空気象、航空力学、機体構造、性能及び限界)と実技10時間程度(地上
滑走、ジャンプ飛行、同乗飛行、単独飛行の完熟)が必要です。手軽に簡単に操縦出来るとは言え、自
分勝手に乗り回すのはあまりに危険きわまりない。どんなスポーツでも 安全教育と礼儀の基本を身に着
けなければ、本当に快適で楽しい汗を流すことは出来ないでしょう。
 最後に この魅力あふれたスカイスポーツをより多くの方々に理解して頂きたく、私のホームページアド
レスを記載させて頂きます。是非一度ご覧戴き、又体験してみてはいかがでしょうか。