です。
| 当事者双方の言い分を聞き、その紛争の解決に向けての役割を担うのが調停委員です。 |
| 民事調停では、金銭の貸借紛争 (消費者金融等への返済・不等利得返還等) 、売掛金・請負代金請 |
| 求、不倫等による慰謝料 ・ 家賃滞納請求 ・ 騒音 ・ 悪臭等の近隣トラブル、交通事故や医療事故をめぐ |
| る損害賠償など、家事調停対象以外の多岐にわたる紛争を扱います。 |
| 調停は、手続きが簡単、費用が安い、法律的な制約にとらわれない等で、国民の支持を受け利用者も |
| 年々増加しています。 |
| 調停委員となって思うこと |
| 調停委員の任務も9年半余りがアッという間に過ぎ、24年3月の任期満了による退任まで、あと僅かとな |
| りました。 |
| 当初は、最低限度の法律知識と日々の仕事を一日も早く習得すべく無我夢中でした。 |
| 15年頃はバブル崩壊の影響もあり、消費者金融等からの借受金の返済に関わる生活立て直しの為の調 |
| 停が急増した時期でした。利息制限法による利息や返済額の計算、返済計画の立案などで何度となく夜遅 |
| くまで準備に追われた事を思い出します。 |
| また、最近は過払金返還請求と言い、法定利息で計算すると過払金が発生、その返還を求める調停が |
| 増加しています。 |
| 他の一般調停も微増の中、不倫調停や近隣 ・ マンション紛争など、双方の個人的な感情も絡み悩まし |
| いもの等、数多くの調停を担当させていただきました。 |
| スムーズに終了した調停、何度かやって苦労して解決した調停、双方の主張が強く不調に終わった調 |
| 停と、結果は様々でしたが、喜びあり、残念な思いありの毎日だった様に思います。 |
| 同じ様な内容の調停でも、一件々々事情 ・ 状況が異なり、当事者も違うことから、その都度教えられる |
| 事、知る事も多く、視野と考え方を広める部分で大いに役立ったと思っています。 |
| さらに、仕事を通じて、当事者の話に十分耳を傾ける事の大切さを改めて知り得た事、民法や商法など実 |
| 務 ・ 研修 ・勉強で学び得た事、様々の業界 ・ 分野出身の先生方と出会い、会話と交流を重ねることで知 |
| り得た事柄など、新たな人生の経験と勉強になり有意義な10年を過ごせたと感謝しています。 |
| 「司法委員」に任命されて |
| 一年ほど前、「司法委員」という任務を兼務で任命されました、これも国民参加の司法制度の一つです。 |
| 調停委員の経験者を中心に、建築士 ・ 医師 ・ 交通事故専門家・弁護士などから選任され、さの任にあた |
| ります。 |
| 簡易裁判所の民事訴訟で、法廷での裁判に参加して審理に立会い、意思を述べたり、和解を試みるの |
| に際し、その補助をするのが主な役割りです。最近増加している小額訴訟の和解でも同様に関与 ・ 補佐し |
| ます。 |
| 5年ほどの任期ですが、せっかく与えられた機会でもあり、健康に留意し頑張ってみたいと思っていると |
| ころです。 |
| おわりに |
|  | 振り返れば、三洋勤務に続く15年の長きにわたる、 |
| 司法との関わりになりそうです。 |
| 裁判所は閉ざされた行きずらい所としてのイメージ
| が強くあると思われますが、これは過去の話。最近 |
| は裁判員など司法に参加する機会が増え、候補者 |
| や裁判の傍聴で来庁する人、裁判員制度のビデオ |
| を見に来る人も多く、オープンな裁判所として出入り |
| が自由に出来ます。 |
| ぜひ一度機会を作り、近くの裁判所へお出かけに |
| 裁判所前にて |
| なって見ては如何でしょうか。 |
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